麻疹（はしか）が流行するかも

　麻疹にかかる人が増えている。

　大流行ってほどではないんだけど。

　麻疹の報告数は昨年12月以降、増加傾向が続いており、1月下旬ごろまでは海外からの輸入例の割合が高かったが、最近は国内感染例の割合が高いという。

　国立感染症研究所は「一旦輸入例として入ってきた麻疹ウイルスが、地域によっては国内流行しつつあることを示唆しており、憂慮される状況」としている。

麻疹（はしか）とはどんな病気？

　麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症。

　感染力が極めて強く、死亡することもある。

　世界保健機関（ＷＨＯ）西太平洋地域では、２０１２年までに麻疹を排除することを目標に決めている。

 　空気感染、飛沫ひまつ感染、接触感染、いずれの方法によっても感染する。

　好発年齢は１歳代が最も多く、次いで６～11カ月、２歳の順。

　ただし、近年、成人麻疹の増加が問題となっており、10～20代での発症が多く報告されている。

　10～12日の潜伏期ののち、発熱で発症する。

　発熱期は咳せき、鼻水、結膜炎症状が強く、38℃以上の発熱が数日続く。

　この時期が一番感染力が強い時期となる。

　その後、いったん解熱傾向を示すが、すぐに耳後部付近から発疹が現れ、39℃以上の発熱が数日続く。

 　発疹出現前後１、２日間に、口腔粘膜（臼歯きゅうしの横付近）に白い粘膜疹（コプリック斑）が現れる。

　この粘膜疹は麻疹に特徴的であるため、これを確認して麻疹と臨床診断される。

　発疹はその後、顔面、体幹、手足に広がって全身の発疹となり、数日後、色素沈着を残して回復に向かう。

 　肺炎、中耳炎を合併することが多く、１０００人に０・５～１人の割合で脳炎を合併する。

　また、麻疹ウイルスに感染後、とくに学童期に発症することの多い中枢神経疾患として、亜急性硬化性全脳炎（ＳＳＰＥ）がある。

　亜急性硬化性全脳炎（ＳＳＰＥ）は知能障害、運動障害、ミオクローヌスなどの症状を示し、発症から平均６～９カ月で死亡する進行性で予後不良。

　発症頻度は麻疹にかかった10万人に１人程度といわれている。

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